「ホワッチュアネイム?」
牧師 横山順一

 先月八日夜、関東に近づいた台風十三号。そのニュースをネットで見ていたら、「サンサン」という名前が付いていた。
へぇ~っと思って調べたら、香港の言葉で少女の名前だそうだ。今まで意識してなかったけど、アメリカのハリケーンには、いつも名前がついていたのを思い出した。
女性の名前が使われていたのは、もうはるか昔の話で、一九七九年からは、男女交互にアルファベット順の名前のリストが作られているという。
とりあえず一年間二十一の名前が六年ぶん用意されていて、今年で言えば、アイザックとかクリスとかだ。
大きな被害をもたらしたハリケーンの名前は二度と使われない。新たに追加されるそう。
アメリカの場合、最大風速三十二・六四m以上の熱帯低気圧に名前がつけられる。
北西太平洋または南シナ海で発生する台風の名前は、日本も含めて加盟十四か国で構成される台風委員会が命名する。
ちっとも知らなかった。チコちゃんに叱られそうだが、二○○○年から開始された割に、日本ではそんなに使われて来た覚えがない。
ちなみに、次の台風十四号は「ヤギ」だった。これはもちろん、日本の命名。
動物やら花やら川やら、各国が様々な名前を登録して全部で百四十個決められている。
そのうち日本の命名は、ヤギのほか、テンビン・ウサギ・カジキ・カンムリ・クジラ・コグマ・コンパス・トカゲ・ハトの計十個。これらはすべて星座から取られたものだという。
南シナ海近辺で発生する台風は年平均二十五・六個なので、おおむね五年で百四十の名前が一巡する計算となる。
めちゃくちゃ暑かった夏を過ぎ越し、九月を迎えた。台風のシーズンとしては、まだまだこれからだ。可愛らしい名前にだまされてはならぬ。
それにしても何にでも名前をつけるのが人間だ。
太平洋神学校教授だった宋泉盛(ソン・チョアンシェン)さんが「名付けの力」という文章を書かれている。
「みんな誰にでも名前がある。ペットの動物までもが名前をつけてもらっている。誰でも、そして何でもみんな名前でそれぞれを区別しているのである。この世の生活のなかでは、それはごく普通のことになっていて、不思議はない。しかし、いったい誰がそんな名をつけるのだろうか。人間である。言うまでもないことだ。ほかのものに名をつけること―ほかの人間に、ほかの動物や昆虫や鳥や花や木や、そしてまあ数えきれないいろいろなものに―は、まるで人間に与えられている特権のようなものである、他のものに名を付ける能力は、人間の本性のしるしのようなものである。私たちキリスト者は、神がお与え下さったこの能力をよく考えてみなければならない。聖書もそのことを語っているのである。」
至言である。命名能力は、命令能力ではない。