「Oh、脳!」
牧師 横山順一

 「努力できる脳を持つ人と、努力できない脳を持つ人」がいることを、最初マンガ(週刊モーニング)から知った。マンガはだから、侮れないし、おろそかにはできないですよ。

後日、出所は「あなたの脳のしつけ方」中野信子著、青春出版社だと分かった。中野さんは脳科学者である。
二○一二年、アメリカ・テネシー州のヴァンダービルト大学のマイケル・トレッドウェイ先生率いる研究チームが実験を行った。
それは利き腕ではない方の手(例えば右利きの人なら左手)を使って、小指で二十一秒間に百回ボタンを押し続けるという、単調で苦痛な作業。この時、被験者には成功報酬を与えると予め伝えられていた。
こうして実験に臨んだ二十五人の脳内を調べたところ、できた人とできなかった人との違いが明らかになったというのだ。
脳内にある①左線条体、②前頭前皮質腹内側部、この二つは快楽を感じるために重要となる「報酬系」の一部。③島皮質は損得勘定を計算する働きをするところ。
出来た人は③の働きが弱く、できなかった人はそれが強かったという結果が出た。

努力できる人かどうか、どうも脳が先天的に決まっているそうで、試しに二十一秒小指を押し続けられなかった私は、悲観するというより、ひどく納得させられた。
ちなみに、連れ合いが全く単純にそれができたのは、これも事前の予想通りだった。
私は、努力できない脳の持ち主だったのだ。だから、しなければならないと分かっている時も、何だかんだで結局できなかった。居直って威張っているようだが、そうではない。

損得勘定を計算する力とは、必ずしも字面のように損か得かに限らない。つい、こんなことをすることに意味があるのか?とか、やらなくても別に困らないなどの理屈をつける能力かもしれない。
逆に、できる人は、報酬がもらえることを喜びとして、単調で苦痛の作業(努力)が自然に続けられるのだろう。羨ましく思う。

だが著書は続ける。努力できない脳を持つ人へ。その脳を騙せばいいのだ、と。
やり方は以下の三つ。
一、 努力することで得られるご褒美を作ること。
二、 飽きないでやり続けられる工夫をすること。
三、 ネガティヴ勘定を活かすこと。
この三は、「あの嫌な奴に勝ったら嬉しい」とかのネガティヴな思いを利用することらしい。

あ~、しかしどれを読んでも、努力できそうにない自分を認めて情けない。
だけどちょっと嬉しかったのは、こうもあった。努力できない人にも才能はある。その才能とは、「無駄な努力をしない才能」、「ものごとを効率的にこなす才能」だそうだ。
思い出した。そうだ、私は色んな人のノートを借りて試験対策して来たっけな。最小限での努力で最大限の効果を狙った訳だ。
そんなん、ただの「ズル」と言われるだけだろう。もうすぐ受験シーズンも終わる。努力うんぬんより、頭はじっくり使うべしだ