No.97 「もう次のワールドカップ」 牧師 横山順一
サッカーのワールドカップがアルゼンチンの優勝で幕を閉じ、ようやく静かなクリスマスが訪れた。
サッカーファンには誠に申し訳ないのだが。そして八強にわずかに及ばなかった日本の健闘も確かに称えられるのではあるけれど。
どうしてサッカーは、まるでサッカーという名を借りた「戦い」なのだろう?「闘い」ではあっても、「戦い」ではないように思う。
予想外の金星を挙げたチーム国が、その日を「祝日」にしたというから、驚いた。そんなに喜びで、そんなに凄い出来事なのか。
実際、それほど国中が熱狂している国もあるのだし、逆に無様に負けたなら、ほとんど「戦犯」のごとき扱いを受ける国もある。
その後のレポート番組で、森保監督が、「日本中が応援しているぞ!」と試合前に選手たちを鼓舞しているのを聞いた。
私は、日本中はちょっと大げさじゃない?って思ったけど、本番中には、とても口にはできない雰囲気に満ちていた。
代表メンバーには十八歳の選手もいたそうだが、「こんな若さで、日の丸を背負える栄誉」と語られていた。
悪いけど、あなたに日本を背負わせた覚えはないと言いたかった。好きなスポーツをして、勝手に日本を背負ってもらっては困るのだ。
マスコミにも責任があろう。スペインに勝った翌朝の新聞には、「無敵艦隊スペイン撃破!」という大見出しが躍っていた。
無敵艦隊って・・。時代錯誤じゃない?
時代錯誤と言えば、ユニフォームの青色を「サムライブルー」なんて言うの、もう止めて欲しい、新しい景色が見たいんなら。
そう言えば、準々決勝の一組、イングランド対フランス戦を称して、英仏戦争と評した人もいた。
何でやねん!いつやねん!
サッカーはサッカーで、戦争ではない。大体、女子サッカーにもワールドカップがあるが、そこではそういう表現は使われない。
日本が一次リーグで唯一負けた相手がコスタリカだった。「まさか」の敗退だなんて報道されてたけど、中南米の強豪国だ。
それより何より、コスタリカは軍隊を持たない世界でも稀な国。一九四九年に永世非武装中立国となって今に至る。
多分、日本に勝ったからと言って「撃破」なんてあちらでは報道されていなんだろうな。
せっかく相対したのに、相手国の紹介を何も見なかった気がする。サッカーの実力と並んで、どんな国なのか知ることは、とても大事なことじゃないか。
正直言って、クロアチアが前回大会の準優勝国ってことも知らなかったよ、ごめんなさい。
何だかんだで、ついよく知られた国々ばかりに注目してしまう。そして知らない国を、どこかで見下してしまいがちだ。猛省!
2023年春、いきなりWBC(野球)が行われる。オオタニさんも出るけど、世界での人気の比はサッカーにはるかに劣るのだから、勝っても奢らずだ。
そ れより、秋にはもう次のワールドカップが再びやって来る。何のって?ラグビーっすよ!めっさ楽しみです!フランスですよ。結局、それを一番訴えたかったりして(笑)。