《本日の説教要旨》

 教会は英語でCHURCHと書きますが、これはCH(キリスト)に挟まれて、you are あなたがたが集まっているということだと高校生1年の時に教えられましたが、チャーチの語源はギリシャ語でクリアコン(キリストのもの)です。聖書ではエクレーシア(集会)という単語が使われています。

 今朝は聖霊降臨日(ペンテコステ)の礼拝です。ペンテコステは、50という意味で、過ぎ越しの祭りから50日目の日「五旬祭の日が来て」と1節に書かれていますが、元々は小麦の収穫感謝祭でしたがバビロニア捕囚後、律法が与えられたことを祝う日として祝われるようになりました。この日に聖霊が降って弟子たちに信仰が与えられ、教会が誕生したのです。聖書には、「一同が一つになって集まっていると、」とこの出来事が起こったと記録しています。

 1968年3月に大学院の卒業旅行で、韓国に行き水原にある堤岩里教会を訪ねました。この教会は、日本が1910年にソウルに朝鮮総督府を置いて日韓併合を進めましたが、それに抵抗する人々がその村に沢山住んでいて日本軍が人々を教会に集めて藁を積んで火をつけ焼殺した教会です。その時の牧師夫人田同禮さんがまだ生きておられて、日本がしたことをお詫びしました。1907年の正月、韓国のキリスト者がお米や布団を持って教会に集まり、1週間ぶっ通しで聖書研究をしました。コリントの信徒への第一の手紙12章から「あなたたちはキリストの体であり、一つの体が悩めば皆が悩み、一つの体が栄光を受けると皆が受ける」とのみ言葉の聞いていると、会場を圧倒するような悔い改めの祈りが起きて、人々は泣きながら自分の罪を告白し、この民族が滅びそうな事態が起きているのも「私のせい」と言い始めました。「私のせい」は韓国語でネ・タシオと言いますが、目覚めた塩になって武力支配に抵抗する運動が生まれたのです。

 ペンテコステの出来事も似ています。弟子達が49日間、集まって祈っていると聖霊が降って、神様はイエス様を遣わされて私達のような無理解で無力で不信仰な人間をイエス様の十字架によって赦され、「さあ、生きよ」と造り直してくださったのだと語り始めたのだと思います。不幸を人のせいにするのではなく、外国人を差別するのでもなく、違いを超えてみんな一つになってみ言葉に聴く者となり武力支配や侵略を非暴力の抵抗で無くす運動が2000年前にユダヤで生まれたのです。それが教会の誕生でした。