《本日の説教要旨》
一人の律法学者が「何をしたら永遠の命を受け継ぐことが出来るでしょうか」と質問しました。「永遠の命」ゾエーン・アイオーニオンは質的な命、イキイキ命を意味します。イエス様は「律法には何と書いてあるか」と聞き返されました。彼は「『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くしてあなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』とあります」と答えました。これは申命記6:5とレビ記19:18の戒めを合わせたもので、当時流行していた考えかたであったと思われます。イエス様が「それを実行しなさい」と言われると律法学者は「では、わたしの隣人とは誰ですか」と言いました。
そこでイエス様は「善きサマリア人の譬え」をお話になり、「強盗に襲われた人の隣人になったのは誰か」とお聞きになり、「あなたも同じようにしなさい」と言われました。「隣人とは誰か」という例外規定に逃げ込もうとした律法学者に「隣人になること」を求められたのです。
私は出来ることならいま住んでいる家から引っ越しをしたいと考えて、資金を得る為にサマージャンボ宝くじを買いました。しかし、当たりませんでした。 実はご近所にとっても心根の優しい人が住んでおられて、以前は野鳩に餌をやっておられましたが、最近は野良猫に餌をやっておられ、その猫たちが我が家の庭にウンコをしに来るので困っています。猫の餌をカラスが食べに来て、我が家の屋根の上にも庭の柿の木にもカラスが沢山やって来て、ガーガー鳴き、柿が青い内から食べてしまいます。そんなことから私が引っ越しするのが一番簡単な解決かなと考えました。しかし、神様のみ心ではなかったのか宝くじには当たりませんでした。
今日は平和聖日です。イエス様は「平和を実現する人々は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ5:9)と言われました。平和シャロームとは戦争がない状態ではなく、互いに神様から命を頂いたものとして共生している状態を意味します。互いに喜びを感じつつ共生することを実現する人たちは「神の子」(神の属するものたち)と呼ばれると。今の場所で共に生きる隣人にならなければ、国際問題も解決できないと示されました。立場を替えたら自分もご迷惑をかけているかもしれないと認めて、摩擦を感じる現実も理解を深める機会として受けとめ、工夫を凝らして行くことが生きる喜びに繋がり、生きて来て良かったと思える人生になるのだと思います。「誰が隣人になったか」という問いかけが今もイエス様からなされていることを受けとめましょう。