《説教者紹介》
相澤弘典(あいざわひろのり)
頌栄保育学院 理事長・院長
 1967年岩手県盛岡市生まれ。同志社大学神学部卒業、大学院神学研究科修了。安中教会(群馬県)、石岡教会(茨城県)、長岡教会(新潟県)、涌谷教会(宮城県)、松山城南高等学校(現松山学院高等学校)宗教主任(愛媛県)を歴任。2020年4月より頌栄保育学院宗教主事に。2022年4月に院長、2023年4月からは理事長兼任。頌栄短期大学准教授。家族は妻と娘4人(3人は自立)と猫。趣味は落語、映画、演劇、歌。

《説教要旨》
『まことの生き方』
 出身が岩手県と言うこともあり、わたしはよく山浦玄嗣さんが訳した「ケセン語訳」の聖書を引用します。イエスの周りにいたのはユダヤ人たち。山浦さんの「ガリラヤのイェシュー」では、京都弁で話します。
 イエスが「俺は去る、お前たちはついて来れないぞ。血眼になって探しても見つけられないぞ」と言う。周りにいたユダヤ人は「まさか自殺する気と違うやろな」と反応。
 8:24「あなたたちは自分の罪のうちに死ぬことになる」と訳されている言葉を、山浦さんは「どこを目指せばいいものか、迷いっぱなしで死んでしまう」としています。
 自分が正しいと信じることに誠実であることが、破滅をもたらしている。これを「罪」と訳している。ヨハネ福音書は「闇」の中にある状態、どこに向かったらいいかまったく見当がつかない状態と理解しています。人間は、ここから抜け出す道を求めて人間は四苦八苦してきた。どっちへ向かったらいいか、どうしたらいいかわからないまま死んでしまうよ、とイエスは警告しているのです。
 31-32節のイエスのセリフ「俺の言葉の通りに生きれば、そなたらはまことにわが弟子。人のまことの生き方を悟り、それがそなたらを解き放つ。」
 山浦さんによると、真理というのは、「人が本当に幸せになるための生き方についての知識」と言います。
 イエスは常に人々がわかる言葉、人々が受け入れられるような言葉を用いて語りました。だから、ここで「真理」と言い出した時も、小難しい哲学的な対話をするために持ち出したのではないのではありません。
 イエスが8:32「真理はあなたたちを自由にする」と語ったとき、イエスを知るときに、イエスこそがわたしたちを自由にする存在だと言っているのです。
 人を幸せにしない「真理」など不要です。
 わたしたちは、イエスという真理と出会い、イエスが示した真の人の生き方を知り、その生き方を自分の生き方として生きようとする。キリスト者とはそんな生き方のことです。
 徹底的に他者のために尽くしたイエス。
 弱い立場の人と一緒に生きたイエス。
 貧しい人々、悲しむ人々のただ中で生きたイエス。
 周りの人々の幸せのために、自分自身を差し出したイエス。
 そんなイエスの生き方こそが、人の本当の幸せのための生き方です。
 自分の事で精一杯、自分のことしか考えられない、そんな闇のような生き方から、イエスの示す真理へと、わたしたちは招かれています。