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《本日の説教要旨》

今朝は棕櫚の聖日と言って、人々が「ホサナ。ホサナ」と言って迎える中をイエス様がエルサレムの都に入って行かれた日です。イエス様は、馬ではなく、ロバに、しかも子ロバに乗って入って行かれました。子どものロバは40㎏ぐらいまでしか運べなかったということは、イエス様は、背の低い、痩せた、子どものようなお方だったことが考えられます。15節に旧約聖書ゼカリア書9:9の言葉が引用され「見よ、お前の王がおいでになる。ロバの子に乗って」と書かれています。これはイザヤ書53:2の「見るべき面影もなく、輝かしい風格も、好ましい容姿もない」という記述とは関連があり、ロバの子に乗れるほど小柄なお方だと預言されていたのです。

 福島の原子力発電所の事故で関西に避難しておられる人の話を聞く機会がありました。車いすに乗って生活しておられる小柄な婦人でした。その人が、国が推し進めようとしている原子力発電所の危険性をキチッと話しておられました。人々に襲いかかって来ようとしている放射能汚染の深刻さを少しでも伝えようとしておられる姿に権威を感じました。イエス様がエルサレムの都にロバの子に乗って上って行かれた時も、小さな体からすごいオーラを感じ迫力があったのではないでしょうか。

 リチャド・アッテンボロー監督の「ガンジー」という映画を思い出します。マハトマ・ガンジーは、イギリスの植民地支配に非暴力の抵抗運動をした偉大なリーダーで、黒人解放運動の指導者マルチン・ルーサー・キングにも大きな影響を与えた指導者です。圧巻は、イギリス人が独占している製塩業に抗議する為に、インドの西海岸のダンディーまで歩くデモンストレーションでした。だんだんとデモに参加する人が増えて来るとイギリス政府も看過できなくなり、デモ隊に暴力で襲いかかります。その時、ガンジーはデモの参加者に「絶対に暴力に対して暴力で応えてはならない」と戒めました。デモ隊は、殴られても、撃たれても前進して、イギリス兵や雇われインド人が恐ろしさを感じて逃げ出すまで止まりませんでした。そして遂に、西海岸に辿り着いて、人々は歓喜し自分達の手で塩を作りました。小さな体のガンジーが、大きな人のように感じられ、粗末な白いサリーを着ているガンジーがインド総督を動揺させました。真の権威というものがなんであるか現している映画でした。ガンジーのことを伝える碑文に英語で「7つの社会的罪」が書かれています。1、理念なき政治 Politics without Principles 2、労働なき富 Wealth without Work 3、良心なき快楽 Pleasure without Conscience 4、人格なき学識 Knowledge without Character 5、道徳なき商業 Commerce without Morality 6、人間性なき科学 Science without Humanity 7、献身なき信仰 Worship without Sacrifice。

 エルサレムに上って行かれたイエス様の姿も、ガンジーの姿に似たものがあります。小さなロバの子に乗っていることが当時の権力者たちを一層追い詰め、苛立たせたのではないでしょうか。殺されると解っていても、前に向かって進んで行かれたイエス様の姿がガンジーにも影響を与えたのではないでしょうか。インド総督もガンジーを見てエルサレムに上るイエス様を見たのではないでしょうか。権力は人間を支配するために様々な装飾品を思いつきますが、権威は人間を解放するために誰よりも貧しく弱い人間の姿になって人間の尊厳を主張します。もし7つの罪の1つでも自分に感じるなら、イエス様に乗って頂いて7つの罪から解放された人生を生き始めましょう。