日本で西暦(太陽暦)が導入されたのは明治五年暮れのことだった。陰暦で、本来十二月三日だったこの日が、一八七三年一月一日と改変された。ついでにこの日から明治六年ともなった。
一応、一か月前から変更が伝えられてはいたが、現在より伝達手段が圧倒的に乏しかった時代、多くの人にとって「何やねん?」という唐突な変更だったろう。
何しろ、師走に入ったばかりで、いきなり正月になる訳だ。頭の切り替えがなかなか追いつかなかったと想像する。
だからこそ庶民の間では、旧暦が平行して使われ続けた。中国では今もそうだが、私の子どもの頃も二月の旧暦の正月を結構大々的に祝っていた。

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