《説教要旨》 『そらのとり ののはな』 大澤 宣 牧師

マタイによる福音書 6:25~31

マックス・ルケードという方が書かれた『たいせつなきみ』というお話です。

木でできた人形の村。村の人形は、みんなエリという名前の彫刻家が作りました。

人形たちは毎日同じことをしています。それはシールをくっつけあうことでした。ほめられるようなことをするとお星さまシール。失敗したりするとダメじるしをつけられるのです。

パンチネロは、失敗ばかりして、ダメじるしをたくさんつけられていました。「どうせぼくはダメな人形さ」。自分でもそう思うようになりました。

ところが、パンチネロは、お星さまシールもダメじるしも、何もつけていない人形ルシアに出会いました。「ぼくもあんなふうになりたいなあ。誰からもいいとか悪いとか言われたくないなあ」。

パンチネロはルシアにきいてみました。するとルシアは、「それはね、毎日エリに会いに行くといいのよ。エリと話をしてみたら、すぐにわかるよ」。ルシアはそう言ったのです。

パンチネロはエリに会いに行きました。「パンチネロじゃないか、会いに来てくれたんだね」。「ぼくの名前を知っているの」。「もちろんさ、わたしがおまえをつくったんだから」。エリはそう声をかけてくれました。そして、「なにもかもわかっているよ。ほかの人形がどう思おうと気にすることはない。お星さまやダメじるしをつけているのは、お前と同じ人形じゃないか。わたしはおまえのことをとても大切に思っているんだよ」。

イエス・キリストは、「空の鳥をよく見なさい」と言われました。鳥は、種もまかず、刈り入れもせず、倉に納めもしないのに、神様は鳥を大切にしてくださるとお話されました。また、「野の花がどのように育つのか注意して見なさい」と言われました。働きもせず、紡ぎもしないのに、昔のソロモンという王様よりもきれいに育ててくださっていますとお話されました。

神様は、私たち一人一人を大切に守ってくださいます。強いところも弱いところも、みんなで助け合っていくようにされました。

神様は、こどもたち一人ひとりを愛しておられます。おとなの方たち一人ひとりを愛しておられます。神様は、わたしがわたしらしくいられることを大切にしてくださるのです。そのことを覚えて、まわりの人のことも大切に考える心を持ってゆきたいと思います